家族がいるのに、ヘルパーが必要なの?
「ご家族と一緒に住んでいるんですよね?」
「それなら、家族が介護できるんじゃないですか?」
介護の仕事をしていると、こんな考え方に触れることがあります。
確かに、一緒に暮らす家族が食事を作ったり、着替えを手伝ったり、外出に付き添ったりすることはあります。
でも、私たちはこう考えています。
家族がいることと、家族が介護をすべて担うことは、まったく別の話です。
家族にも、家族の生活があります。
介護は、一日で終わるものではありません。
朝起きるところから、食事、排泄、着替え、移動、入浴、夜間の対応。
医療的ケアが必要な方であれば、喀痰吸引などが必要になることもあります。
それが毎日続きます。
もちろん、ご家族だからこそできることもたくさんあります。
でも、ご家族にも仕事があります。
買い物にも行きます。
友人と会うこともあれば、ゆっくりテレビを見たい日だってあります。
何もせず休みたい日があって当然です。
介護する人にも、その人の生活があります。
ヘルパーが入ることで、できることが増える
私たちヘルパーが訪問する目的は、ご家族の代わりになることではありません。
例えばヘルパーがいる数時間。
ご家族は買い物に出かけることができます。
仕事に行くこともできます。
少し休むこともできます。
そして利用者様自身も、ヘルパーと一緒に外出したり、好きなことをしたり、新しい場所へ出かけたりすることができます。
「家族だけで頑張る」のではなく、
家族、ヘルパー、看護師、相談支援専門員など、いろいろな人が関わりながら生活を支える。
在宅生活では、そんな考え方がとても大切だと思っています。
「介護する人」になる前に、家族です
これは長く訪問介護をしていて感じることですが、介護する時間が長くなると、家族の関係も少しずつ変わってしまうことがあります。
親と子。
夫と妻。
兄弟、姉妹。
本来はそんな関係だったはずなのに、いつの間にか、
「介護する人」と「介護される人」
という関係が大きくなってしまう。
だからこそ、ヘルパーが入る意味があります。
ヘルパーに介護を任せている時間は、少しだけ介護から離れてもらう。
そしてヘルパーが帰ったあと、
また普通の家族として話をする。
一緒にご飯を食べる。
テレビを見て笑う。
そんな時間を残してほしいと思っています。
家族だけで抱え込まなくていい
私たちは介護のプロとして、ご本人の生活を支援します。
でも、すべてをヘルパーがすることが正解だとも思っていません。
ご本人ができること。
ご家族だからできること。
ヘルパーだからできること。
それぞれがあります。
大切なのは、「誰が介護するのか」ではなく、「どうすれば、その人らしい生活を続けられるのか」。
それをみんなで考えることだと思っています。
ヘルパーは、家族の代わりになる仕事ではありません。
利用者様が自分らしく暮らし、ご家族が家族でいられる時間をつくる。
それも、私たち訪問介護の大切な役割の一つです。
